目の老化と聞くと、真っ先に「老眼」を思い浮かべる人は多いでしょう。老眼は白髪と同じように、歳を重ねると誰にでも起こる変化です。しかし、目の老化は特有の病気を招くこともあります。

◇白内障
水晶体は目のピントを合わせるレンズの役割を担っています。この水晶体が濁ることで発生するのが白内障です。加齢によって弾力が失われると、水晶体の端の部分から少しずつ白濁していきます。瞳孔まで広がって網膜に光が届かなくなった場合、視界がかすんだり光を眩しく感じたりといった症状が出ます。

 

「視界が白っぽくかすんでいる」「屋外で目を開けるのが辛い」「眼鏡の度数を変えても視力が出ない」場合は、眼科を受診しましょう。

◇緑内障
日本人の視覚障害で特に多い緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に障害が起こり、視野が狭くなる病気です。早い方で40代から変化が生じるものの、進行は非常にゆっくりで自覚症状もほとんどありません。代表的な目の病気ですので、定期的に眼科でチェックを受けておくと安心です。

◇加齢黄斑変性
加齢とともに網膜色素上皮の下に老廃物が蓄積され、それによって網膜の中心にある黄斑に障害が起きる病気です。「社会的失明」とも呼ばれていますが、光を完全に感じられなくなるわけではなく、主に視界の中心が歪んで見える・ぼやける・暗くなるといった症状が見られます。欧米では失明の原因の一つとして知られており、日本でも少しずつ増えてきています。